libertarianmattersの日記

日々読んだ本のこと、仕事のこと、ときどきコーヒーのこと

現代のシュルレアリスト?

IT業界の方と仕事をすると、ときどき奇妙な感覚を覚えます。

リモートで仕事をするので、コミュニケーションは主にチャットになります。
この時の、彼らとのやり取りが奇妙なのです。

 

異常なほど反応が速い、タイピングスピードが速いとかそういうレベルではない。

 

普通の感覚だと、

考える→頭を整理する→書く→修正する→確定

と少なくとも5段階は必要ですが、

彼らの書くチャットは、そのすべての過程が同時に処理されているように感じるのです。

要は、頭に思い浮かんだことを、そのまま喋るように書くことができているといえばよいでしょうか。

 

そこで思い浮かんだのが、オートマティスムでした。

 

1920年代に、シュルレアリスムという運動があり、オートマティスム(自動記述)の実験が行われていました。

 

オートマティスム

知っている人のほうが少ないと思うので簡単に書いておきます。

 

アンドレ・ブルトンというシュルレアリスム運動の中心人物が、1924年シュルレアリスム宣言」を書きます。彼が宣言前後から行っていた詩作の実験がオートマティスム(自動記述)というものでした。

 

端的に言えば、頭に思い浮かんだことを、ただひたすら超高速で書いていく実験です。
その目的とするところは、自分たちに見えていない現実・「超現実」を描き出し、現実も見直していくということだったようです。

 

IT業界の方々のチャットの速さは、まるでこのオートマティスムそのもののように感じてしまいます。

 

彼らは、超高速でのコミュニケーションを通じて、現実をみて、現実を作り出していこうとしている。

だとすれば、彼らは現代のシュルレアリストと言えるのかもしれません。

 


アンドレ・ブルトン自身は、実際には推敲をしていたといいますから、現代のシュルレアリストたちはブルトンをさえ超えたのかもしれません。

再始動

書かずに時がすぎてしまった。

来週から、定期的に書く

とにかく出す

これからはじめる批評、承前

これから批評も書いていこうと思う。

 

それは、個々の作品批評からはじめることにしよう。抽象的な議論に逃げ込むのが、僕の悪癖だから。

 

批評は、絶えることのない様々な作品を素材として、絶え間なく展開できる。素材となる作品が絶えないということ、これ以上の幸運はないと思う。

 

(誰かは文学の終焉を嘲るかも、でも批評の対象は文学にとどまることなどないし、否、全てが文学だともいいうるから。

 

The Boy Who Could Change the World: The Writings of Aaron Swartz

Aaron Swartzは、少しずつ確実に訳して掲載していかねばならぬ。(独り言

アルチュセールのイデオロギー論

アルチュセールの〈イデオロギー〉論』(三交社 アルチュセールの論文「イデオロギーと国家のイデオロギー装置」、山本哲士の論文「アルチュセールのプラチック論」、柳内隆の論文「アルチュセールの解読」

アルチュセールの「イデオロギー」論 (プラチック論叢)

アルチュセールの「イデオロギー」論 (プラチック論叢)

『再生産について――イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』(平凡社ライブラリー

再生産について 下 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)

再生産について 下 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)

再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)

再生産について 上 イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 (平凡社ライブラリー)

内容:アルチュセールイデオロギー論の全貌! 現代の思考に、多方面にわたる巨大な影響を与えつづけてきた論文「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」。本一冊分の草稿から抜粋してつくりあげられたこの論文は、同時に、長く誤解にさらされてきたものである。論文発表後も手を入れられながら、生前ついに公刊されなかったその草稿によって、アルチュセールイデオロギー論、イデオロギー装置論が、再生産論という本来のコンテクストのなかで、いま、ようやく、その十全なる姿を現す。待望の日本語訳決定版。巻末にエティエンヌ・バリバールによる論考「アルチュセールと「国家のイデオロギー諸装置」」を収録。

上記の通り、『再生産について』はアルチュセールの論文「イデオロギーと国家のイデオロギー装置」(新訳では「イデオロギー装置」は「イデオロギー諸装置」)の源流である、膨大な草稿を書籍化したもの。

リバタリアンは、アナキズムも読む

忘れられてしまったかもしれない素晴らしい本も発掘して書いていきたい。

 

柄谷行人の英訳者としても有名な?高祖岩三郎氏(1955-)の著書。

 

ストリート(「運動」はあまり好きな言い方ではない)と理論を行き来し、ありうべき未来像が提示される素晴らしい本。

アナキズムの入門書的な位置づけなのかもしれないが、入門だけではおわらない。要はタダでは済まない本なのだwww

 

高祖氏が翻訳したグレーバーの本も合わせて読みたい。

 

 

新しいアナキズムの系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

新しいアナキズムの系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

 

新しいアナキズムの系譜学
河出書房新社 2009年3月 1,600円+税 四六判並製244頁 
内容:いま世界を席巻する新しいアナキズム的実践を、ドゥルーズ=ガタリマルクスなどの理論と出会わせながら、巨大にしてラディカルな思想をうちたてる空前のマニフェスト。壮大なダイナミズムと情動に満ちた、来るべき哲学/運動の序曲。


目次:プロローグ「新しいアナキズムの位相」/第一章「アナキスト地理学とは何か?」/第二章「闘争空間アメリカ」/第三章「都市的蜂起の伝統」/第四章「群島的世界――世界と出会い直すこと、世界を愛し直すこと」/第五章「地球意志」/エピローグ「千の世界の組織論に向けて」

 

 

 

資本主義後の世界のために (新しいアナーキズムの視座)

資本主義後の世界のために (新しいアナーキズムの視座)

 

 



デヴィッド・グレーバー

以文社 2009年3月 2,000円+税 四六判上製216頁
内容:想像力の領域に切り込むアナーキスト人類学の斬新な価値理論が、歴史と未来を同時に読み替え、希望なき資本主義システムのオルタナティヴを提示する。待望のインタビュー集。


目次:まえがき(高祖岩三郎)/グレーバーインタビュー・1「新しいアナーキズムの政治」/グレーバーインタビュー・2「新しいアナーキズムの哲学」/グレーバー最論文「負債をめぐる戦略」/グレーバー+矢部史郎/対話「資本主義づくりをやめる」/あとがき(高祖岩三郎)

対論:ダンロードは窃盗ではない

Counterpoint : Downloading Isn't Stealing

by Aaron Swartz

 

初出

Counterpoint: Downloading Isn’t Stealing (Aaron Swartz: The Weblog)

 

2004年1月8日17歳

 

ニューヨーク・タイムズUPFRONT紙は、彼らがダウンロードについてまとめていた論点/対論について小文を寄稿するよう依頼してきた。(当然ながら、僕はダウンロードを擁護する)僕としては、ほんの数日で、読者にとってもサイズとしても良くまとめられたと思ったが、僕の小文はカットされてしまった。タイムズ紙が、子どもたちに法を破ることを教えるのを良しとしなかったからだ。そこで、墓場から、こちらに載せることにした。  

 

窃盗は間違いだ。でも、ダウンロードは窃盗ではない。もし僕が地元のレコード店からアルバムを万引きしたら、誰もそれを買えなくなる。でも、僕が1曲ダウンロードしても、誰もそれを失わないし、誰かがそれを買うこともできる。そこに、倫理的問題はないんだ。

 

レコード会社は、ダウンロードによって2000年から15%も売上が下がったと非難する。でも、同じ期間を通じて、景気後退や物価上昇があったし、新譜の発売は25%減っていて、新しい人気アーティストもいない。そうしたことすべてを考慮すると、ダウンロードは売上を増加させたかもしれないんだ。

 

そして、メジャーレーベルのカタログのうち90%は、もはや売られていない。インターネットが、それらの曲を聞く唯一の手段なんだ。

 

もし仮にダウンロードが売上に打撃を与えたとしても、それがダウンロードを非倫理的なものとすることにはならないんだ。図書館やレンタルビデオ店(そのどちらもレンタル毎の従量課金ではない)も同じく売上をに打撃を与えるだろう。それを利用することに非倫理的なことがあるのかな?

 

ダウンロードは、おそらく違法だ。しかし6000万人もの人々がNapsterを使い、ブッシュかゴアに投票した人はたった5000万人だ。僕たちは民主主義のもとで生きているんだ。もし人々がファイルを共有したいと望むのならば、法が変えられるべきなんだ。

 

そして、それを変えていくフェアなやり方があるんだ。あるハーヴァード大学の教授が算出したところ、ブロードバンド利用者に60ドル/年の課金をすれば、(レコード会社が)失った全収益を賄えるというんだ。政府は、影響を受けたアーティストたちにそれを与え、そのかわりに、音楽をシェアしてより容易に利用できるシステムに火をつけ、ダウンロードを合法にすればいいんだ。アーティストたちはより多くのお金を手にし、君はより多くの音楽に触れられる。それのどこが非倫理的なんだい?

 

[付記]ここに訳したのはAaron Swartz ‘Counterpoint : Downloading Isn’t Stealing’、元は2004年1月8日に彼自身のブログに掲載された。”The Boy Who Could Change The World”に収録されたものを使用したが、元のブログとの差異は確認していない。原注については割愛した。