libertarianmattersの日記

日々読んだ本のこと、仕事のこと、ときどきコーヒーのこと

『日本のフェミニズム since1886 性の戦い編』

HIPHOPに、一つの曲のなかで何人かのMCがマイクを繋いでいく、マイクリレーという形式がある。 多様な声が繋がれる形式で、HIPHOPで僕が好きな曲はこの形式が多い。日本で有名なものだと、ZEEBRA/YOU THE ROCK★らが参加した「Dancehall Checker」 や「証言」といったところだろうか。

アメリカだと、ムミア・アブ=ジャマール支援のためにPublic Enemyらアーティストが結集した「Mumia 911」など、とてつもなくかっこいい曲がたくさんある。


Unbound Allstars - Mumia 911

北原みのりさんが編集した『日本のフェミニズム since1886 性の戦い編』を読んでいたら、これはまさに言葉のマイクリレーだなと、心から感動した。それぞれが現場からの声をつなぎ、それが響き合う。これまでこんなフェミニズムの本はあっただろうか。

言葉と言葉のあいだに、これまでフェミニズムの立場で戦ってきた先人へのリスペクトがあふれ、彼女らの言葉が引用=サンプリングされる。美しさと強さ、無力感も含め、感動的である。

後半に登場する仁藤夢乃さんは、

誰もがモノ扱いされず、暴力に行きつかなくよい真に平等な社会を目指して活動を続けることが、私にとってのフェミニズムです。

と書きます。

もっとも端的に、フェミニズムを定義した言葉ではないでしょうか。 この本が広く読まれ、これからのフェミニズムのスタンダードになって欲しいと切に願います。

付記すると、僕は上野千鶴子に(一方的に)学恩があると思っている。北原さんは上野千鶴子批判の急先鋒だ。それはそれである。 上野千鶴子を乗り越えるためにも、この本は読まれなくてはならないと思う。